ラノベと文芸を区別しよう!テンプレに飽きた人々は文芸を選ぶのか?

『小説家になろう』を読んでいて、ふと疑問に思う。
「ラノベと文芸は、どう違う?」
そのタブーに切りこみつつ、今後の方向性を探っていきます。

ラノベは説明してから動く

ライトノベルを「なろうテンプレ」と定義します。
それらの共通点は、読者に負担をかけないこと……。

「よし! 次は、第二王子が魔族と通じて、ヒロインを殺そうとするから――」
このように説明した後で、先回りしての解決へ。
あるいは、チートスキルによるゴリ押し。

ステータス画面として、そのキャラが行えることや強さを可視化。
元々がテンプレゆえ、「次はこうなる」と予測できます。

敵サイドの視点もあります。
読者は全てを知ったうえで、「こいつ、何も知らずに馬鹿だな」と、ニヤニヤできる寸法。
勧善懲悪となり、主人公は無敵です。

超常的でも説明しない文芸

文芸にも、超常的な現象、またはスキルがあります。
ただし、それらを説明せず、「この先はどうなるんだろう!?」と思わせる流れ。

なろうテンプレと比較して、現実とほぼ同じ世界観。
連続殺人事件のような人間ドラマが、読者を引きつけるのです。
「現代ファンタジーでサスペンス、ホラーを描く」という感じ。

こちらでは、曲世愛まがせあいが暴れ回る『バビロン』のような「悪の完全勝利」も許されています。
1人で認識改変をしているため、手のつけようがありません。

ハードカバーが多く、有名な賞をとるか、マスコミに宣伝されない限り、注目されず。
基本的に、なろう小説よりも売れません。

なろうテンプレはもう飽きた!

かつては、『無職転生』のような異世界転生が流行りました。
『小説家になろう』は、そこから脱却するため、カテゴリーを区別することに。
異世界恋愛として、悪役令嬢、婚約破棄、離婚といった作品群へ……。

けれど、『小説家になろう』のWEBサイトは有名となり、周知されました。

初心者でもお約束を守っていれば書けるメリットは、底の浅さに繋がります。
テンプレから外れることを許さない読者は、ちょっとしたストレスにも拒絶反応を示すのです。
これで、面白い作品になるはずがありません!

「駄作の山となりつつも、歴史に残る名作も出てくる」
裾野を広げることの意義を知りつつも、あえて言いましょう。
「なろうテンプレは、もう飽きた!」と。

各レーベルも「脱なろう」へ

『アルファポリス』などの大手は、「脱なろう」へ動いています。
「ライト文芸」のような新カテゴリーの創設や、「受賞作品はアニメ化」のようなコンテストで。

一般文芸も、「出来レース」で受賞作品を決めているなど、綺麗事だけではありませんが。
無料で同じラノベを読めるのなら、お金と手間をかけて買わないんですよ?
なろうテンプレが通用しなくなってきた現状で、各レーベルは生き残りを図っています。
乱立するアニメ放送やコミカライズですら、そろそろ相手にされない状況へ。

大ヒットしている『薬屋くすりやのひとりごと』のカテゴリーを知っていますか?
『小説家になろう』において、文芸の推理です。

「異世界転生、転移は、必須!」のように最低限のルールを守れば、投稿者がカテゴリーを決定。
ラノベと文芸の区別をしにくく、今回のような議論すらしていません。
それでも、読者の「なろう離れ」は待ってくれず、素人が駄サイクルで褒め合うだけに!?