児童文学とライト文芸が大正義⁉どうしてラノベは振るわないのか?

2024年では、「児童文学とライト文芸が席巻している!」とあります。
売上データや書店の陳列が根拠ですが、出版業界が衰退している事実が先。
今回は、児童向けと、チートなしのライト文芸を語ります。

ロングテールの児童文学とライト文芸

ロングテールとは、「1つの売上は少なくても、数を揃える」という販売手法です。
ネットのSEOに登場するキーワードですが――

一説によれば、「児童文学とライト文芸はロングテールで、なろうは消耗品」……。

幼児向けの絵本、児童向けの文学、ついでにライト文芸は、市場規模が小さいです。
書店の現場では「安定した売上だな!」と思えても、海外で売れず、日本も少子高齢化。

これらは、「子供が勇気や希望を抱き、強くて優しい人間になりますように」の精神。
親が子供に買い与えるか、同じく高齢者が孫にプレゼント♪
まだ自分の意志が発達していない本人が自発的に買うことは、原則的にありません。

「1巻打ち切り」が当たり前のラノベ

ひるがえって、ラノベは「1巻打ち切り」が当たり前です。
もう終わりだ!
文学と呼べる作品だけが見直されて、WEBの落書きはこのまま淘汰される!?

……んなわけ、ないですって!

衰退した出版業界の中で、相対的に注目されているだけ。
全体的には、浮気不倫による泥沼や、殺人などのドキドキする展開が好まれます。
現に、『小説家になろう』は20周年を迎えているのです。
テレビですら、刑事ドラマが終わりません。

立派に、『なろう』としてのロングテール。
どんどん入れ替わっているため、「1つの作品だけで1,000万部」が珍しいだけ!

公に好まれるほうが安定した売上

絵本や児童文学、ライト文芸が根強いのは、ひとえに公的機関で採用されるから!
学校の出入り業者が「古い店を構えているけど、毎年の大きな売上」と、同じ理屈です。
ハードな描写が多いラノベは、そうもいきません。

たとえば、幼児向けの絵本なら――

  1. 役所などの待ち合いで、利用者へのサービス
  2. 保育園、幼稚園の情操教育

公的機関に納品されていれば、民間も扱いやすい。
担当者が仕入れる場合も、「大手や官公庁にも採用」で、一発OK♪
頭が固い人も、「それなら!」と納得します。

ラノベと一般文芸の事情は変わらない

児童文学やライト文芸も、読書感想文で「学校の指定図書」になれば、ガッツリ売れます。
数冊からの選択でも、その学年の3人に1人が買うので……。

いっぽう、ラノベは完全に自由。
国家権力から睨まれつつ、やっていることは「俺ツエー!」で「美少女は俺のもの♪」。
最近では、女主人公が「チートで悠々自適」も増えましたが。

ともあれ、一部の人気シリーズだけが100万部、1,000万部に――

あれ?
素人がWEBのコンテスト受賞か注目されて、大ヒットの可能性がある。
実は、とんでもなく恵まれているのでは!?