「そもそも、ラノベを買うユーザーはどこへ?」
書店が減り続ける中で、彼らは自分で選ぶように。
スマホで注文する時代には、新しい販売戦略が求められます。
書店でラノベを買っていた人の現在
結論から言うと、スマホとPCにいます!
行動パターンの変化は、以下の通り。
途中で書店にも立ち寄る → スマホで空き時間を潰す
気になったラノベを買う → PCやスマホで評価を調べてから熟考
ラノベ全盛期には、「立ち寄った書店で平積みされている表紙と目が合った」が主な動機。
大賞などの箔がついている場合は、出版社が目立つ売り場に置くよう、プッシュする場合も……。
ともあれ、街の書店は「文化財として行政が保護するべき!」となりつつあります。
氷河期世代の次である、ゆとり世代が、学校帰りに書店へ立ち寄った最後。
学生は打ち切り前提でタイパ重視に
タイムパフォーマンス、略してタイパ!
Z世代の代名詞になっていますが、現代で大事なこと。
映画ですら倍速で見る世代には、「打ち切りは御免だ!」というのが本音。
ゆえに、もう人気シリーズになっているラノベだけが対象。
無名の書いた新作は、間違っても手に取りません。
「どうせ、1巻か3巻までだろ?」
各レーベルの打ち切りは、ビジネス的な判断。
けれど、読者には「裏切られた!」という悲しみだけが残ります。
書店が減って売り場はなく、肝心のユーザーに疑われている有様です。
ラノベの購買層である中高生は、やがて大人へ。
その判断基準は変わらず、自分の子供に継承していきます。
つまり、既存の流通ルートで新しいラノベが売れる可能性はもう残っていません。
縮小する一方です。
大学生からは認めた作品の大人買い
「どこで、紙のラノベが売れているのか?」
それは、ネット通販です!
高くなったラノベですが、他の趣味と比べれば微々たるもの。
バイトをやれる大学生からは、気に入った作品を大人買いします。
そう、大人買いです!
書店で一冊だけを手にするのとは、全く違います。
賃貸のせまい部屋に置くこともあり、「無名だけど、試しに買ってみるか!」とはなりません。
自分が厳選したシリーズを一気に読むのです。
はい。
今後も残るルートですら、無名の作家は生き残れず。
読者は、ネット通販のサイトに表示される、お勧めのラノベに!?
そのレーベルが社運をかける新作でなければ、高確率で1~3巻切り。
現代は立ち読みではなく全読み
試し読みは、本を売るのに大切。
スマホで1日が終わる現代社会では、小説投稿サイトがその役割を担っています。
無料で読み放題♪
ランキング上位は、いずれ書籍化される作品ばかり!
お金を出さないことが当然になり、新作ラノベを買いません。
しかし、この小説投稿サイトもなければ、日本のラノベ業界はとっくに終わっていました。
大手の出版社ですら、かつての取次のような仕組みを築けないのですから。
むしろ、助かったと言うべき。
巷では、「原作者として、コミック、アニメ、ゲームの脚本を書くべき」という風潮。
紙の本が売れないのだから、選択の余地はありません。
そもそも書籍化は、「漫画で人気になりそうか?」が絶対条件ですし。
別の媒体による原作のコンテストも、急増しています。