「学校帰りに、書店へ立ち寄る」
その光景は、もはや古典となりました。
書店が消えていく中で、売れる本について語ります。
「書店に行く日常」は氷河期世代が最後
「携帯電話がなく、家と学校の往復だけ」
テレビと雑誌だけで青春を過ごしたラストが、氷河期世代です。
書店に行かない人は増え続け、老人、親の世代まで。
大学受験の赤本、学校で指定された参考書を除き、「近所の書店で買う」の必要性がゼロに!?
電子書籍のスタンダードがなくても、紙の本は不利なまま……。
そもそも、日本の書店は「ここでしか買えない」と、優位性で売ってきました。
外資のネット通販により、既得権益はあっという間に崩壊。
人気シリーズが一人勝ちする現状
幼児向けの絵本、児童文学、過去の名作、ライト文芸、ラノベ、資料。
様々なジャンルがありますが、どれも人気シリーズの一人勝ちです。
売上ランキング1位、2位で、全体の50%を占めています。
その数字を見て、よく知らない層も買う。
いっぽう、後発のシリーズは、あまり注目されず。
結果的に、「ベストセラーだから売れる」という、新人が使い捨てになる構図へ……。
「大半のラノベは1巻切りか、出版社がキープしての3巻止まり」と、説明しました。
けれど、それは他のジャンルにおいても、同様です。
ロングセラーはひっそりと売れていく
『小説家になろう』のラノベは、流行りです。
初動が終われば、もう売れません。
テンプレによる作品で、オリジナリティに欠けますから……。
ただし、『魔法科高校の劣等生』や『オーバーロード』のような怪物クラスも!
これらは次元が違うため、「次の中高生」に宣伝していくだけで売れます。
文学と呼べるだけの内容で、高校生が主役となれば、それはミステリーやジュブナイル。
『氷菓』の古典部シリーズなど、ラノベの形式だがチートなしも!
言わば、「売り方や社会情勢に対応できる」という小説。
『涼宮ハルヒの憂鬱』でもありましたが、「表紙を変えれば、学校に置いても大丈夫!」は強い!
消耗品ではなく、ロングセラーの文学です。
シェアする時代で買ってもらう動機
「低収入でも、地元のダチによる相互扶助」
これをプア充と呼ぶそうです。
スマホの買い替え、食材の調達と、あらゆる場面で貸し借りへ。
当然ながら、紙の本も含まれます。
ネットが登場するまでの、「何となく書店へ立ち寄り、気になったから購入」は消えました。
地元でシェアする時代において、どのように買ってもらうのか?
作家のカリスマ?
小説投稿サイトの人気ランキングで注目されているジャンル?
それとも、レーベルの知名度?
いずれにせよ、ロングセラーとなることが必要不可欠です!
1巻切りだらけで、「周知されてファンがつく前に、あえなく終了」という無理ゲーですけど……。