異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件13

四大流派の3つに認められたことで、新たな局面へ!

猫猫はどうして人気なのか?自分のルーツを完全否定した女主人公!

『薬屋のひとりごと』の主人公である、猫猫マオマオ
スタートは17歳で、中華風ファンタジーだから大人の扱い。
累計4,000万部オーバーの理由は、彼女自身にあった!?

美少女ではないことで強い共感

猫猫は、可愛らしいが、美少女と言えず。
あだ名のように丸顔で幼く、まるで猫のよう……。

その一方で、皇帝が子供を作るための後宮には、絶世の美女ばかり。

女性は、無意識に自分をランクづけ。
「あいつより上!」という認識をしており、これは本能的なもの。
美少女ではない猫猫は、女性に親近感を持たれやすい。

『まちカドまぞく』のシャミ子のように、愛玩動物としての可愛らしさ。
女性受けを狙うのなら、これは鉄則!

女性から見て不自然ではない主人公

男性向けのラノベは、すぐハーレムになります。
「魅了されているのか?」と思えるほどにチョロく、2人以上のヒロインが奪い合う。
しかし、女性向けの溺愛も、そう簡単ではない。

いるだけで愛してくれて、ドアマットにされていた復讐もしてくれる彼くん。
それを馬鹿にするのは、他ならぬ女性です。
「あるわけないでしょ?」という風に……。

けれど、薬屋の猫猫は、リアルな女子。
利用するために近づいた男を信用せず、心の声で読者は全てを知る。
知識と行動力はあっても、チートを持たない。

自分自身、あるいは、親友としての二人三脚。
魅力がある女主人公で、読者は『シャーロック・ホームズ』のワトソンのような立場!

「なろうは売れない!」を証明した

薬屋は、『小説家になろう』に連載(2025年)。
これは福音ではなく、「なろうは売れない」という証明!

『薬屋のひとりごと』のカテゴリは、文芸の推理。
最初は文芸作品として扱われ、淡い水彩画のような表紙で発売。
ラノベの編集部に移り、コミカライズが大当たりして、さらにアニメ化でのブースト。

分かりますか?
なろう系のテンプレは世間に支持されないが、まともな小説は売れるのです。

色々な意味でタイミングが良く、他に当てはまる小説がなかったことも大きい。

文芸とコミックが融合した競走馬

一般文芸で売ることは、不可能に近い。
なぜなら、長時間の読書よりスマホで、無料の投稿サイトにあふれているから。

有名な文学賞をとった作家をブランド化して、ようやく安定して売れる。
でも、今は世界的に売れるコミック、アニメの展開をしなければ!

薬屋はその最初であり、先行者利益の1つ。
世界観とキャラのどちらも破綻したままで売り逃げする「なろう系」と違い、世間に合わせてフィックスされた小説として……。

言わば、サラブレッド!
なろうで生まれた猫猫は、自分のルーツを否定し続ける。
「めちゃくちゃで擦り切れたテンプレのままじゃ、誰もお金を出さないよ?」と。