第13回ネット小説大賞は、編集のコメントが値千金!
プロ作家になりたければ、理解できるまで熟読♪
そもそも、売れるラノベにすることが大切。
ランキングを売れ筋と考えるな!
「小説家になろう」の構造上、ランキング上位には昨今で言う婚約破棄や悪役令嬢などの流行ジャンルが多く並ぶ傾向にあります。しかし、流行要素とはあくまで作品に読者を呼びこむためのきっかけ作りであり、そこから読者に定着してもらうにはさらなる魅力が必要だと考えます。
『なろう』のランキング上位である婚約破棄や悪役令嬢は、売れ筋ではない。
ハッキリと、断言!
この第13回で、編集3人ぐらいが異口同音……。
コメントは、ジャンルを否定していません。
けれど、私は「婚約破棄や悪役令嬢にお金を払ってくれる読者が集まらない」と考える。
無料で、サラッと流すだけ。
その最適解ですが、「お金と手間をかけて、何度も読む?」と言われれば……。
作家だけ気持ち良くなっていない?
商業作家として活躍するには、そのオリジナリティを活かしながら「どうすれば読者の求めるものに応えられるか」という思考も必要になりますが、ややその視点が欠けている作品が多かったので、自分の作品を客観的に分析することをおすすめしたいです。
これも、婚約破棄や悪役令嬢の話では?
「私が報われないのは、絶対におかしい!」という主張を続けられても……。
冒頭で婚約破棄をされて、周りの男がさんざんに貶す。
だけど、女主人公が「この10年は何だったの?」とアピールしても、共感のしようがない。
今さっき、知ったばかりです。
悪役令嬢も、ネチネチした、女の嫌な部分を見せられている感が強い。
そういうのは、現実で嫌というほど。
この2つ、どちらも「男って、バカよね?」というテーマで一貫。
小学生ぐらいの知能である男キャラが、女主人公の素晴らしさに気づかなかったことを悔む。
まあ、男性は買わないでしょう。
コミカライズに向いている?
台詞や地の文だけ話が進行する形のため、書籍化自体はできるものの、コミカライズといった絵に起こすことが難しい作品も多かったと思います。もう少し絵に起こしたときに物語が映えるような物語が増えても良かったのではと思いました。
『なろう』だけではなく、WEB小説についての問題提起。
編集不在でユーザーがユーザーを評価しているから、そういった思考がない。
『片田舎のおっさん、剣聖になる』は、絵にしやすい剣戟。
『シャングリラ・フロンティア』も、少年漫画に向いているパーティーバトル!
『薬屋のひとりごと』も、事件の推理で、キャラと場面を描きやすい!
コミカライズにすることが難しければ、書籍化されにくい。
覚えておきましょう。
「長い会話だけで進行するうえ、場面が分かりにくい」
「バトルをしないことで、見栄えなし」
これにピンと来たら、ランキング上位だろうと、リセマラのやり直し♪
主人公たちの魅力が問われている
シリーズ化を念頭に書籍化をご相談する場合も多く、キャラクターの目的や動機など物語のぶれない軸を持っているかも判断基準となります。そのため、作品作りの際に、そこをより意識してもらえると良いかもしれません。
「テンプレを重視するあまり、無視できない矛盾へ」
この流れは、『なろう』に限らず、ランキング上位で目立つ。
『なろう』の漫画にツッコミを入れるだけの動画も。
主人公やメインキャラの迷走ぶりが多く、漫画にしたら、強調される。
原因は、作家が評価やコメントをするユーザーへ媚びるから。
「ランキング上位になって、維持したい!」という願いで。
書籍化できても3巻までに打ち切りの未来が、その代償。
WEBの1話2,000文字を追っていると、ライブ感だけに。
その結果、「あれ? この設定、前と正反対じゃ?」となるのです。
主人公に目的がないか、序盤で解決してしまい、動機がないままでダラダラ続く。
シリーズ化を狙っての書籍化とは、真逆。