煽情的なイラストが目立つ、ラノベ。
しかし、いざ本番とはならず!?
その裏には、デリケートな中高生への配慮があるのです。
小中学生はエロに嫌悪感がある
インパクト勝負なら、エログロです。
しかし、第二次性徴の小中学生は、一定ラインを超えたものを嫌います。
10代の青少年をターゲットにしたラノベも、それを守らなければいけません。
「メインの10代に売れれば、20代、30代もついてくる」という話。
それとは別に、文章への表現規制も!
「裁判で判断されれば」という、ファジーな領域です。
ゆえに、出版社がそれぞれ自主規制をするに留まっています。
許されているのは、不可抗力のラッキースケベ。
健全なお付き合いの末に行われるキスまで!
現実の陽キャのように、「女子Aと別れた。次は女子Bと付き合い、ベッドイン」は論外です。
ラノベと文芸のボーダーライン
一般文芸は、ラノベと正反対です。
浮気、三角関係による体を張った籠絡は、挨拶代わり。
それどころか、野崎まど先生の『バビロン』のように、悪の完全勝利も!?
文芸なら、いいのです。
日本の近代文学も、わりと暗い内容ですし……。
平たく言えば、ラノベは青少年向け、一般文芸は20代から上。
買わせたい層が違うため、それに見合った主人公とアクションに!
売上としては、一部を除き、ラノベのほうが上です。
人気アニメのノベライズを含みますけど。
大人気のラノベを見れば一目瞭然
『魔法科高校の劣等生』は、主人公が最強としての名作です。
司波達也は、とある事情で喜怒哀楽に乏しく、ハーレムを築きません。
さらに、第一高校は選ばれし生徒だけ。
貴族のような雰囲気で、女子の風呂シーンも白の浴衣を着ているほど!
家同士の婚約が当たり前になっており、全体的に上品です。
シリーズが丁寧にアニメ化されているのは、描きやすく、イメージが良いから。
すぐに叩かれる時代でも、妹だけを見ている達也は隙がありません。
ただし、スマホと電子書籍の普及で、エログロに特化したラノベも登場。
携帯もなかった時代の感覚は、もう捨てたほうがいいかと……。
WEBは安易なエログロに走りがち
小説投稿サイトは、誰でもラノベを発表できます。
無名の個人を読むことは少なく、PVを稼ぐために刺激的な内容に走りがち!
そこのランキング上位になるまでが、茨の道です。
私も、『異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件』のPVがなさぎて、5話で打ち切りにしかけました。
前述したエログロは、このWEB小説に多く見られます。
「高校生カップルの女が浮気で、裏切った彼女が陥れてくる」という、昼ドラも真っ青な展開。
現役の中高生に受け入れられるとは思えず、無料で読み捨てるだけの存在です。
今の小説投稿サイトは、本当に中高生が共感できる分野として「児童文学」に住み分け。
スナック感覚の「なろう小説」から、ロングテールへ舵を切っているところ。
異世界転生から異世界恋愛へ移り、それで埋め尽くされた現状は、そろそろ終わりにしませんか?