『カクヨム』で、★1万。
選ばれし領域で、内部のランキングでも上位をキープ。
ところが、いざ書籍化してみれば……。
今の書籍化はランキング頼み
「投稿小説のランキングが、正しく機能していない!」
この指摘は、もう散々に出ています。
作家同士の相互評価や、流行りによる瞬間最大風速と、ランキング用のテクニックが発達。
出オチのような、「最初に全振り」という作品であふれ返りました。
その結果、お金を払う読者とは違う、「ランキング上位のため」のラノベだけに!?
だけど、小説投稿サイトで読まれるのは、評価を集めたランキング上位。
操法大会で入賞することを目指している消防団と同じで、評価が全て。
異を唱える作家は読まれず、どんどん去っていくから、是正されないまま。
『カクヨム』の★は、読者が無料でつけられるもの。
お祭りと同じで、「応援します!」のコメントがあっても、買うのは一握りです。
私の実感では、ナチュラルで★200を超えていれば、書籍にできるライン。
メインの中高生が背を向けた現状
ラノベの購買層は、中高生です。
ただ、彼らにお金はなく、ソシャゲの課金や、スマホの通信データ量が最優先!
『小説家になろう』で始まった流れは、ホームランを打てる素人が抜けた感。
2012年から連載スタートの『Re:ゼロから始める異世界生活』ぐらいが、最後のラインだと思います。
今は本当の意味で、「小説家になりたい素人」の集まりです。
「お金をかけずに読みたい!」
中高生のニーズは、大手の投稿サイトで満たされます。
テンプレだから、一度読んだものを買い直す必要もなし、と。
そうなると、出版社による宣伝や企画に頼って、売りたいところですが……。
プロの編集にも分からない未来
今は、出版社が守りに入っています。
「黒字のラインでいいから、冒険をするな!」
前述の『Re:ゼロから始める異世界生活』も、担当者がわりと頑張ったようで。
仮にコケていたら、その人はクビになったほど。
2024年に人生を賭けてくれる担当編集は、いないでしょう。
担当編集が悪いのではなく、「ランキング上位を使い捨て」というのがベター。
社内の会議で理由を言えますし、自分の責任は最小限だから。
そして、大事な初動で一定ラインを下回れば、すぐに打ち切り……。
「こうすれば、売れる!」がなく、テンプレの替えが利くものだけ。
実績のない作家を育てるだけの余力もなく。
未来が分からなければ、機能不全であってもランキングに依存するしかありません。
スコッパーがひたすらに救助する
『小説家になろう』には、スコッパ―と呼ばれる人がいます。
掘る人であり、従来の評価では埋もれてしまう良作を見つけて、再評価させることが目的です。
ランキング至上主義に一石を投じる存在で、AIを導入するなど、草の根活動。
『カクヨム』などの小説投稿サイトでも、同じようにスコッパ―がいます。
今はマルチポストだから、最大手の『なろう』で掘ることが一般的。
しかしながら、ランキングの順番を超えるのは、簡単ではなく……。
今日も、ランキング上位のラノベが、どこかのレーベルから書籍化の打診をもらい。
コンテストで入賞しています。