プロが手を入れる余地!なろう小説に欠けている要素を知っておこう!

日本のラノベは、書籍化 → コミカライズ → アニメ化。
お金を落としてくれる客の大半は、ラノベの単行本を買いません。
なろう小説に足りないのは、プロ素材としての柔軟さ!?

原作をなぞる作画はただの作業

なろうの書籍化は、コミカライズと同時。
そのコミックの売上で、アニメ化までの成否が決まります。
ラノベは売れず、編集が見ているのも、それ!

週刊漫画がヒエラルキートップで、月刊は固定ファンがいる別枠。
WEBからのアニメとして『サマータイムレンダ』『巨蟲列島きょちゅうれっとう』もありますが、少し特殊。

なろうの漫画は、ネームで原作者のチェックが入り、ただの作業。
ランキング上位のためのライブ感で、ストーリーや世界観、キャラの手直しをするのに。
しかも、投稿サイトの数字で予算を決めるから、相場より安め。

自分の手を入れる余地がなく、ひたすらに原作者のご機嫌をうかがうのは大変。
ギャラが安いからアシスタントもなく、短納期。
有名な漫画家も手掛けていますが、大部分はセミプロから新人です。

10分動画のためにアニメ化

今は、スマホで判断します。
長文を読む気はなく、10分の動画を見るだけ……。

なろうのコミカライズで成功すれば、販促のためにアニメ化♪
しかし、ここでもテンプレの弊害へいがいが!?

ひたすらに世界観、スキルの仕組みを説明するだけ。
低予算だから、戦闘も紙芝居。
原作をリスペクトしなければならず、動かして声をつけるほど、矛盾むじゅんした部分が目立つ。

素人の悪いところが、どんどん出てくる。
それは、なろう小説の宿命。

なろうのテンプレは世間の非常識

『小説家になろう』を始めとする、大手の投稿サイト。
これらは、独自に積み重ねてきたテンプレを重視するのが特徴。

逆に言うと、なろうの中だけで通用する。

ランキング上位でいるためには、テンプレを遵守することが絶対!
キャラ崩壊になろうと、「こうすればいいだろ?」と突っ込める展開であろうと……。

なろうのテンプレを尊重しない世間に出たら、ツッコミの嵐。
B級映画を見るような感覚で近づいた人がお金を払い、目立ったやつが正義というだけ。
作家ではなく、テンプレという教典を絶対視することが問題。

プロに好き放題させるぐらいで

「悪名は、無名に勝る」
地でいっているのが、なろう。
けれど、作家が飽和している一方で、コマ割り、バトルを描ける漫画家は不足!

なろう系で売れても、次のなろうを押しつけられる。
やる気が出るような名作じゃない。
主人公やヒロインに、感情移入できず。

漫画家をすり下ろすだけの、なろうコミカライズ。
『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』ぐらいにはっちゃけ、「好きに描いてください!」というのも一つの手。
編集の許可があれば、ですけど。

大人気アニメ、『リコリス・リコイル』の原作は、『ベン・トー』を書いた作家。
なろう系ではなく、バトル物だけど家族問題を含めた大作を完結させただけに、30分アニメに特化した脚本を作れたのでしょう。
「ラノベ=なろう」の図式になった以上、ラノベが衰退しても驚く話ではない?