WEB小説は、その大半が完結していません。
更新されず放置された人気作に、「なぜ完結にしないの?」と疑問に思う読者。
その裏には、投稿した作家だけが知っている事実が!?
完結ブーストで消えていくだけ
小説投稿サイトは、『小説家になろう』のように大手だけ。
ラノベ全盛期に乱立したものの、今では寡占。
無料で小説をアップ、読者も表示されるオススメを読み漁る。
大手の投稿サイトで、作品の状態を「完結」にすれば、一時的にPVが伸びます。
これが「完結ブースト」です。
最後の花火が消えたら、後に待っているのは虚無……。
大手の投稿サイトには、大勢が自分の作品をアップしています。
高評価を除き、新しいエピソードを重視するため、古い作品はどんどん埋もれるのです。
更新することで再び注目される
どれだけ名作でも、サイトで高評価がつくか、運営にピックアップされなければ終わり。
その閉塞状況を打ち破るには、新しいエピソードを投稿するしかありません。
だから、どの作品も「完結」にすることを嫌がり、「連載中」のままです。
気が向いた時にアップして、ランキングで浮上する。
あるいは、新規のユーザーを取り込みつつ、古参ファンを呼び戻す。
そのために……。
定期的にアップすることが、ランキングの順位をキープする条件です。
ゆえに、「スタートダッシュは全力で! 上位に入ったら、3~5日に1回の更新」がマスト。
PV1,000から100もない状況へ
私のケースで言えば、とある作品が1日1,000PV。
完結にしたら、最終的に1日100PVを割り込みました。
これが現実です!
ラットレースのごとく、新しいエピソードを書き続ける日々。
その妥協策として、「書き溜めて、ランキングが落ちないサイクルでの投稿」です。
投稿サイトが全てを決める時代では、面白いからではなく、読まれているから読む。
ファーストフードの期間限定と同じ。
全員とは言いませんが、「待ち時間の5分、10分を潰すだけの手段」を求めるだけ。
大半のユーザーが見るのは、ランキング上位。
そして、ピックアップ。
小説投稿サイトがそうなっていますし、ユーザーも「上位が良い」と理解済み。
しかも、新作や人気作の投稿は、星の数ほど……。
商業作品は担当編集の指示による
書籍化、コミカライズされた作品は、担当編集が指示しています。
雇われの作家は従うだけで、勝手な判断をできません。
出版社が動いている話は、しかるべきタイミングまで明かせず。
次の単行本を出すのならば、大手の投稿サイトで連載しているものは立派な宣伝!
これまで説明したように、完結した小説はゴミ箱へ放り込まれます。
例外は、長期ランキングで上位から動かない人気作だけ。
アニメ化したプロですら、小説投稿サイトの力を無視できないのが現状。
この領域については、私を含め、気にする必要がない作家ばかりですが……。