小説投稿サイトに掲載されたラノベは、その95%が認識されていません。
頑張って更新するも、1日100PVがせいぜい!?
今回は、二極化した実情について語ります。
新人賞になったランキング競争
2024年で3社ほどが残った、小説投稿サイト。
「ランキング上位で書籍化!」が知れ渡り、どこぞの海賊王が宣言したように、世は大ラノベ時代へ……。
原稿用紙の時代から、作家志望者は足切りされます。
編集者は、ランキング上位か、高評価となったものだけチェック!
複数のレーベルが参加するコンテストも、投稿サイトを経由しています。
ランキングに反映されやすい方法が調べられ、そのテクニックを使うことが前提へ!?
結局のところ、有志による相互評価がもっとも効果的。
投稿サイトも努力していますが、数の暴力によって対応しきれず。
「足切りを突破したうえ、審査で好まれる作風」に合わせたら、世間の売れ筋とズレてきたのが実態。
投稿サイトはPVを集中したい
一番の問題は、小説投稿サイトが左右していること。
しかし、『小説家になろう』ですら、運営している会社は常勤30人ぐらいの中小企業。
加熱するサイバー攻撃や、大勢でのネガキャンに対抗しきれず。
さらに、投稿サイトは看板作品をバズらせたい!
たとえば、なろう発の『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』です。
PVを支えている一角。
主要駅の壁に大きな広告を打てたのも、限られたアクセスを集めて話題にしたから……。
投稿サイトにランキングを改善する余裕がなく、それより次の看板を作りたい。
なろうが「異世界転移・転生を別のランキングにします!」と切り捨て、阿鼻叫喚の地獄絵図になったように、全ては彼らの自由です。
ようこそ!評価至上主義のサイトへ!
『HUNTER×HUNTER』でハンター試験の常連であるトンパは、こう言いました。
「試験会場に来れただけ、たいしたもんだよ!」
同じように、小説投稿サイトのランキング上位、あるいは、高評価となれば、上位5%入り。
前述したように、投稿サイトは「PVが集まった作品をより伸ばす」という方針。
あらゆる手段でユーザーを誘導しつつ、それ以外を無視しているのです。
95%のラノベは、1日0~10PVです。
これは面白いかどうかではなく、投稿サイトの構造。
1,000万部の作家でも、別のペンネームで新作を出したら、同じ末路になります。
ランキング上位に入らないと、存在すら認知されません。
正面から受けて立ち、次の新作でランキング入りを目指す。
同じ作家と読み合いをしつつ、内輪だけの楽しみへ。
作品の置き場と、割り切る。
もしくは、「バカバカしい!」と捨て台詞を残しての断筆……。
「公募による一般文芸」という茨の道
ラノベ市場は、もはや荒野。
「出せば売れる」というタイミングに実績を作った作家は、一般文芸に移った方も多いです。
『とらドラ!』『ゴールデンタイム』の作者は、どちらもアニメ化されており、知名度もバツグン!
その実績により、一般文芸でも活躍しています。
元々、ドロドロした恋愛模様で、そちら向きでしたからね。
200万部を超えた『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』の作家も、一般文芸へ行きました。
しかし、代表作は『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で、『庶民サンプル』を経歴に含めず!?
無名でいきなり文芸へ殴りこんでも、なろうとは比べ物にならない厳しさです。
あちらの登竜門である『芥川賞』『直木賞』をとるか、出版社に顔が利く先生に気に入られるか。
自分で営業もしなければならず、茨の道です。
受賞した女性の1人は、新聞配達店で仕入れまで行う調理を行いつつの執筆。