なろうで悪役令嬢が台頭した理由とは?異世界転生に続く流れを解説♪

異世界転生の次は、悪役令嬢の婚約破棄。
なろうのムーブメントが変わった背景には、複数の理由があります。
作家と読者を区別しにくいから、正しく把握しなければ!

目的が明確で共感しやすい

悪役令嬢とは、ヒロインをいじめ、いずれ逆転。
ベースとなる乙女ゲーは、彼女が「ざまぁ!」される物語。

男爵令嬢、それも平民上がりで王子と親しくなるのは、不自然すぎる。
悪役サイドが主人公で、「ヒロインのほうがおかしい!」と立証するか、原作知識で先に叩きつぶすことに……。

なろうの必須である「ざまぁ!」が自然に行われ、女性受けもいい。
というか、女性向け。

男性の視点では、「無料で流し読みする分には……」といった感じ。
ランキング上位を占めているため、暇潰しでページを開き、サッと流すだけ。
それでも、PV(ページビュー)にカウントされる。

浅い内容で早く完結するインスタント

悪役令嬢は、家族との関係に悩むか、浮気している婚約者から離れるかの二択。
複合もありますが、やっていることは浅く、清算した時点で終わり。

異世界ファンタジーを知らなくても、スッと入ります。
WEB連載は、せいぜい20話。
なろうの長編ラノベに食傷気味だった時に、インスタントラーメンのような速さ。

こちらにもテンプレがあり、それに従うことが必須です。
女性主人公で家庭問題や育児による話が多く、リアルの女性にとって書きやすい。

気づけば、たった数年間で次の覇権となりました。
2024年には、総合ランキング5位までの半分以上が、この悪役令嬢、婚約破棄モノ。

異世界転生・転移に飽きた層がくいついた

WEBラノベは、引き延ばします。
いつまでも終わりが見えず、それに飽きた層がシンプルな悪役令嬢に注目!

いまだに人気がある「異世界転生・転移」は、順位を下げました。
投稿サイトはランキングが全てで、「悪役令嬢モノに屈した」といっても過言ではない。

短編のランキングは、悪役令嬢の独壇場。
そちらで名前を売って、長期連載に切り替える手法が目立っています。

一見すると、悪役令嬢は我が世の春に見えますが……。

投稿サイトが露骨に誘導している

小説投稿サイトが、悪役令嬢モノを推しています。
過去の『小説家になろう』で、「異世界転生・転移」を別のランキングに隔離したことで、業界ナンバーツーの『カクヨム』へ流出する事件がありました。
2024年では、別のランキングとしつつも、総合ランキングへ復帰したようですが……。

総合ランキングは、トップページの目立つ位置にあります。
「5位までの大半が悪役令嬢モノ」と述べましたが、女性心理が大きく影響。
女性は共感する生き物で、評価する傾向にあるため、ランキングに入りやすい。

投稿サイトは目先のPVを稼げれば、それでいい。
『アルファポリス』よろしく、悪役令嬢をアピールしている状況。

『カクヨム』は、あえて悪役令嬢モノを省き、男性向けのポジションを維持。
しかし、なろう三巨頭は、どれもランキングが機能不全に陥ったまま。
悪役令嬢の進出は、『アクセル・ワールド』などの名作を出してきた投稿サイトの終わりを意味しているのです。