誰からも愛される主人公?テンプレではない売れ筋へ離陸する時は今!

では、どのような小説が売れるのか?
それを語るにも、第13回ネット小説大賞のコメントを参照!
まさに、答えが書いてあります。

万人に支持されるテーマを選ぼう!

気になった点としては、読者を具体的に意識できているかどうかです。パンチのある題材をフックにする意識は良いのですが、専門的すぎて読者が限定されてしまい、手に取りづらい作品が増えた印象でした。間口を広げられるテーマ選びも意識してみてください。

今のWEB小説は、インプットしないまま、ヒット作をこする。
テンプレを組み合わせて、他の作品とかぶらないよう。

編集のコメントでは、「性別関係なく大人が安心して読めるスローライフもの、子供主人公もの」と……。

正解として、『片田舎のおっさん、剣聖になる』を挙げられます。
西洋の剣術がテーマだから、コミカライズで一気に火がつき、アニメも堅実な構成。
スローライフであれば、『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』。

ランキング上位になるため、目を引くタイトルで、奇抜に走る。
それが通用するのは、小説投稿サイトだけ!

ホラーとミステリーは流行に左右されず

近年はコミカライズや映像化においてもホラー需要の高まりを感じますので、ホラーやミステリーものは今後ぜひ増えてほしいと感じました。

ホラーは、安定した需要。
言葉が通じなくても分かるため、世界で売るのにぴったり!

ミステリーも安定していて、ホラーとの親和性が高い。
実写ドラマや映画、舞台にすれば、非アニメの購買層も取り込める。

ただ、1話2,000文字でやっていくWEBとは、相性が悪い!
ストレスを嫌うユーザーは、完結していても、敬遠。

小説投稿サイトの傾向から、ホラー、ミステリーが増えることはない。
最低でも、運営がテコ入れをしなくては……。

第二の薬屋を探している?

文芸作品については、例年よりも新規応募作品が少なかったのが残念でした。

作品の傾向としては、世の中に一石を投じるような硬派な作品や、社会派作品があれば嬉しいなと感じました。

『小説家になろう』の文芸カテゴリは、過疎ぎみ。
週間ランキング1位のPV(ページビュー)が、異世界ファンタジーの中堅に負ける。

大ヒットした『薬屋のひとりごと』に続く、第二の看板が欲しい。
でも、『なろう』が盛況だった2010年ぐらいに、マイペースで連載したから。
誰もが目をギラギラとさせている状況では、望み薄。

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』のように、社会派でも『カクヨム』が上。
チートなしの現代ドラマは、アニメ嫌いの人にも刺さる。

文芸のPVは、人気カテゴリの足元にも及ばない。
だから、『なろう』を選ばず、『カクヨム』の連載か、コンテストへ。
第14回ネット小説大賞でも、編集が書籍化したくなる小説は見つからず。

シリーズの顔になれるだけの主人公

コミカライズにあたって難易度が高い作品が増えてきている印象でした。気になる点としては「本当にこのキャラがこの作品の主人公で良いのか」と思える作品が多々見えた所です。たんなる「チート」キャラではなく、作品の「顔」となりうる主人公を描くことを意識して頂けたらと思います。

女性向けでも男性向けのどちらがベースであっても、男女ともに読めて、愛される主人公が登場する作品が出てくるといいなと思います。

コミカライズと、アニメ化。
その数字を引っ提げて、コラボなどで稼ぐ。
マルチメディア展開をするには、長く耐える作品でなければいけません。

『なろう』の主人公は、自分が気持ちよくなる。
しかし、世間に広く受け入れられるのは、共感、応援したくなるキャラ!

Arcadiaアルカディアに連載して、批評を乗り越えた名作。
幼女戦記、オーバーロード、アクセル・ワールド、ダンまち。
『なろう』に移り、魔法科、転スラ、リゼロ、『このすば』が出ました。
二次創作としての劣化コピーを繰り返し、残ったのは妄想。

男女ともに読めて、愛される主人公は、悲惨です!
だからこそ、みんな共感して、応援する。
でも、『なろう』で主人公が苦戦していいのは1話目だけで、周りにチヤホヤされ、何を言ってもやっても許される。