態度を変えるツンデレはどうして人気?ヒロインの歴史を振り返ろう♪

人によって態度を変えれば、嫌われて当然。
ところが、ツンデレという属性は、そのギャップが大きな魅力!?
その定義を知れば、あなたもラノベを書ける!

ギャルゲーの代名詞となったツンデレ

最初のツンデレは、人によって態度が変わる女。
1971年から連載された『高校生無頼控こうこうせいぶらいひかえ』の「俺たちにはツンツンのくせに、あいつにデレデレじゃねえか!」という発言です(諸説アリ)。

理由と行動パターンは別として、ツンとデレがなければいけません。
どちらかだけは、違うカテゴリに分類されます。

元祖は、「好きな人に照れ隠しで冷たくするが、ある時から素直に接する」という流れ。
性格の二面性でないことは、『らき☆すた』のいずみこなたが指摘。
お嬢様タイプを含めれば、かなりの古典です。

暴力ヒロインとの両立では、『ラブひな』の成瀬川なるせがわなるが代表的。
けれど、ギャグ調にしても厳しく、リアル志向の2020年代には全く見られず。

「デレのないツン」は別のカテゴリ!?

ツンツンしているだけの女は、ツンデレではありません。
主人公を嫌っているか、ライバルと見なしているだけ。

ツンデレの描写は、「キツい言い方だが、弱気を交ぜる」といった感じ。
漫画やアニメならば、意味ありげな視線でも可。

『涼宮ハルヒの憂鬱』の鶴屋つるやさんは、映画『涼宮ハルヒの消失』で人気キャラから脱落。
仕方ないとはいえ、主人公のキョンに厳しく当たったから。
ツンツンするだけでは視聴者のヘイトを集め、経緯に関わらず、嫌われることに……。

優しい女も、ツンデレにあらず!
『HUNTER×HUNTER』のマチがヒソカに優しいからと、ツンデレと思いませんよね?
口が悪いのはスラム育ちだからで、元々が人を癒したいと願っているだけ。

惣流・アスカ・ラングレーはツンデレか?

『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流そうりゅう・アスカ・ラングレー。
綾波あやなみレイと双璧になったヒロインですが、ただのメスガキ。

ツンではなく、主人公のいかりシンジを馬鹿にしていた。
思わせぶりな態度も、「その度胸はない!」と踏んだうえで、からかっているだけ……。

最終的に、仲間意識はできたようですが。
間違っても恋心ではなく、好みはシンジの真逆だと思います。
旧劇場版の最後にボソッと告げた「気持ち悪い……」が、飾らない本音。

不安定な心理と、行動。
それでも他人に気を遣うし、喜怒哀楽もあると、女子高生らしいキャラ。
巨大ロボットによる戦闘だから、許された感。

読者に知らせておくことが必須!

ラノベは、最初に教えることが大事。
作中のキャラに対してではなく、読者へ!
さもないと、「うわっ! 何だ、これ……」と、ヘイトを集めます。

そもそも、ツンデレは長丁場となるギャルゲーで生まれた概念。
単行本5冊ぐらいのボリュームでは、限られたヒロインを長く使わなければなりません。
工夫として、すぐ攻略できない女。

すぐに本性を見せない黒幕。
裏切り者。
誤解されやすいが、実は優しい。

ツンデレは、素直になれないが、そのうちデレる女です。
「いずれ理解し合う!」とユーザーに思わせていくことが、必須。
問題解決の役に立つなど、「一緒にいたい!」と見なされるポジションで。