「前世が男で、美少女に転生した!」
これは、TS(トランスファー・セクシャル)という扱い。
1つのカテゴリですが、主人公と同化するか、ファンになるラノベでは難しいところ。
TSキャラは矛盾を受け入れた存在
なろう小説は、第1話が全て!
ここでブックマークと評価を集めないと、作品を消して作り直す羽目に。
その対策として、「前世は男だったけど今世は女」のTS主人公が誕生しました。
異世界転生の1つで、発想としては古典。
前世は大賢者、剣聖のような英雄で、女として無名、パッとしない家に生まれるのが、テンプレ。
精神と肉体が不一致であるが、自分に納得していない人外キャラと大きく違う。
れっきとした女性で、男性になることを目指しません。
「今の状態はつらいから、早く男に戻りたい」とは、ならず。
女に転生しているため、不自然とは言い切れず。
面白いが、感情移入するには大きな壁。
男女どちらにも支持されにくい!?
男性の読者は、ヒロインに惚れられ、尽くされることを望みます。
いっぽう、女性の読者は「もっと自分は評価されるべき」と思い、理想の男にチヤホヤされたい。
この2つは、相反するもの。
TS主人公は、変身願望がある男性向けです。
なぜなら、女性は「男になりたい!」と思いませんから。
仮に思っても、「女の心のまま」はないでしょう。
メタ的にいうと、男性が女キャラを描くための手段。
上手くやれば、どちらにも支持されます。
本来は、18禁として「初心な女を辱める」という舞台装置で、免罪符。
前述したように、前世を活かしての成り上がり、「ざまあ!」が主体。
『賢者の弟子を名乗る賢者』や『最強の剣聖、美少女メイドに転生し箒で無双する』など。
直接の殴り合いや剣術、魔法によるバトルで。
啖呵を切る時にも、男の話し方。
変身願望の一種だが精神的なBLである
TS主人公は、精神的なBL(ボーイズ・ラブ)になりやすい。
女に目覚めなくても、男キャラに「素晴らしい!」と思わせただけでも、アウト判定。
その真髄は、可愛い自分に酔いしれつつも、ふわっと人生を楽しむこと。
要するに、変身願望の一種です。
フルダイブのVR(バーチャル・リアリティー)で女キャラを選び、楽しむのと同じ。
とことん、バトルにする。
笑って済ませるコメディに徹して、恋愛ムードにもっていかない。
神様チートではない前世の積み重ねで嫌な奴らを圧倒して、ギャフンと言わせる。
それだけ!
恋愛相手は、同じ女だけ。
あるいは、他人と常に一線を引き、親しくなりすぎない。
それですら、「TSモノか……」と敬遠されやすいのが、現実。
ソフト百合で無双するか恋愛抜きの二択
TS転生で書くのなら、主人公は男メンタルのままで無双。
用心棒として普段は一歩引いているのも、良い設定!
一番やっちゃいけないのは、恋愛の当事者にすること!
男性向けで、女性ファンを増やすためにも、周りの男がアピールしてくるのはNG!!
貴族令嬢のように、「自分の意思で動けない」という立場もダメ。
冒険者で自由な立場か、破天荒すぎて男が相手にしないのが、望ましい。
女主人公でも、恋愛モノとそれ以外では、ハッキリと区別。
『くまクマ熊ベアー』のユナも、あれだけ可愛いのに、貴族令息から「何だ、クマか」と白けた表情をされるだけ。
TS転生では、より一層の注意をしなければなりません。
女らしく「でもでもだって!」をしないため、独自の魅力があります。
いかに設定とプロットを練り上げ、途中でブレずに走り切るか? が勝負ですね。