人外キャラを主人公にしたい!書籍化した作品は多いけれど実際は?

お勧めできません。
なぜなら、人外キャラは出オチで、長期になるほど不利だから!
この記事を読めば、その理由が分かります。

オーバーロードが最適解の1つ

人外キャラの理想は、アインズ様です。
『オーバーロード』という、種族名にもなっているタイトルは、不朽の名作。
下記に、その根拠を並べます。

  1. 言葉を喋って、他のキャラと絡みやすい
  2. 人間になることを目指さず、仲間も人外ばかり
  3. 部下を動かしていて、歩み寄る必要がない
  4. 世界征服という、ダイナミックな物語

ラノベ史の黄金期をかざった1つで、これ以上のキャラはいません!
人外キャラ、という意味ですが。

『転生したらスライムだった件』のリムル=テンペストもスライムですが、人間と変わらず。
本当の意味で「人外」といえるのは、アインズ様だけ……。

完全に人間をやめたら共感されにくい

異世界転生は、必ずしも人間である必要はなく。
『転生したら剣でした』『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』のように、無機物であることも多いです。
ただし、完全に人を辞めたら、共感されにくいキャラに!?

ラノベは、使えるか、使えないかの二択。
いわば性癖で、それだけに無機物は選ばれにくい。

最初は、面白いんですよ?
でも、人間の三大欲求がなく、ひたすらに使われるだけの主人公に、ガッカリします。
共感できる部分が少なく、話が続くほどに首をひねる。

食欲、性欲、睡眠欲。
高次元の承認欲求を満たさなければ、読者に支持されません。
まして、お金を払ってもらうのは……。

人外キャラが人間を目指しても出オチ

「人外キャラで始めて、人間になるのは?」
つかみで読者を集めつつも、ラノベの醍醐味である賞賛も。
なるほど、良い考えですね?

この路線についても、アニメ化した名作が多いです。
『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中』『蜘蛛ですが、なにか?』『Re:Monster』と、粒ぞろい。

1968年の『妖怪人間ベム』から、人間になりたがる異形が。
しかし、転スラのようにすぐ擬人化しなければ、延々とモンスターの生態を見せられるだけ。
これはこれで需要がありますが、ニッチです。

リムルは、人間になることが目的ではなく、みんなが安心して暮らせる国づくり。
オバロを踏襲することで、「人間を目指す」という呪縛から解き放たれました。

読者が見たいのは人間ドラマと賞賛

『月が導く異世界道中』のように、仲間のモンスターが美少女、美女になるのはOK!
主人公は、人間ですから。
絶対に裏切らない奴隷を仲間にするより、外聞もいいです。

読者は、ラノベの主人公、または、お気に入りのキャラを通して、スカッとしたい!
『進化の実〜知らないうちに勝ち組人生〜』のように、徹底した賛美こそ、求めているもの。

人間ドラマを描きつつ、「主人公は凄い!」とするには、人間でないとダメ。
あるいは、オバロ、転スラのように、人外だけで完結させるか。
さもないと、人間になれない、負け組のような状態です。
クラス召喚のようなテンプレでは、モンスターの主人公だけ蚊帳の外にも……。

憎い奴らをぶっ飛ばして賞賛されるには、同族で固めることが大事!
それは、読者と同じ人間が手っ取り早い。