「やった! 人気ジャンルでランキング上位!!」
ロイヤリティは副業と呼べる金額のうえ、書籍化も夢ではありません。
しかし、そのPVがタイトル詐欺によるものだとしたら?
ある作品がタイトル詐欺となった
とある小説投稿サイトで、気になる作品を見つけました。
流行りの異世界恋愛に、結論を思わせるタイトル、先が気になるタグがずらり。
1日3回のゴールデンタイム更新によって、ランキング上位へ!
タイトルも上手く、中盤までは誰もが夢中だったのですが――
最終的に、タイトル詐欺となりました!
ストーリーが破綻して、知らない小学生の学芸会を見たような脱力感に。
「ざまぁ!」されるべきキャラや、おバカを繰り返すキャラに突っ込みも入らず。
その作家は珍しくコメント欄をオープンにしており、信者とアンチの殴り合いに……。
いくつかの賞をとっている方で、「わざと読者を振り回してるのでは?」と感じました。
読者の「いや、おかしいよ!」というツッコミか、「とにかく正しい!」の信者だけ。
もはや、アンチを育てているとしか思えません。
ジャンルごとに必須タグがある
WEB小説のタブーは、読者を裏切ることです。
ゆえに、大手の投稿サイトは「こういう作品が読みたい!」にミスマッチをしないよう、工夫!
その最たるものが、ジャンル分けとタグです。
前者で大まかに誘導して、5~10個のキーワードによる検索対策と……。
登録するジャンルとタグは、投稿する人間に任せています。
ただし、明らかなジャンル違い、例えば「現代だけで異世界ファンタジー」は強制的に変更!
一時期に席巻した「異世界転生」と「異世界転移」についても、かなり厳格です。
前述した異世界恋愛のラノベが荒れたのは、「元サヤ」のタグをつけなかったから。
運営の強制ではありませんが、読者にとっては死活問題。
「浮気などでやらかしたパートナーが戻ってくるのは嫌だ!」という読者も多いのです。
今はファンを騙すことが致命的
読者を騙した先にあるのは、断筆です。
今のアンチを完全に防ぐことは不可能で、自分を裏切った代償を求めますから。
そうでなくても、プロ作家でやっていくのは難しいでしょう。
先に完結していて元サヤだと分かっていたのに、あえてタグをつけず。
それどころか、タイトルとタグの全てが「馬鹿な婚約者はいらない!」と言わんばかり。
勘違いするように仕組まれたことで、元サヤを絶対に許さない読者が「ざまぁ!」されたのです。
いわば、マナー違反によるランキング上位。
しかもコメント欄を炎上させて、そのブーストを利用した……。
こういう詐欺をすると、デジタルタトゥーが残ります。
何かある度に、「あの時にタイトル詐欺をした奴だ!」と叩かれるのです。
その作品に求められていることは?
「ざまぁ!」をされるべきキャラを出すのなら、虐げられた主人公がちゃんと罰を与える。
その一言です。
前述した異世界恋愛の作品は、「主人公が自分の役割を放棄して、婚約者の男もメンタル幼児」という話。
周りが勝手に断罪するからモヤモヤで、読者が誰にも感情移入できない。
たぶん、「王道のテンプレから外そう!」と考えたのでしょう。
今は、読む前にストーリーを理解できることが求められます。
自分が嫌な思いをしたくないから。
であるのに、わざと勘違いさせて、読者を「ざまぁ!」した。
作品の悪役を「ざまぁ!」しましょうよ?
自分にとって大事な読者ではなく。
一連の流れを最後まで見届けたあとで、私はそう思いました。