かつてのMMORPGとは?世界的な主人公キリトの活躍は終わらず♪

多くの人が同時に参加するオンラインRPG。
『ウルティマオンライン』と『ラグナロクオンライン』は、キリトを作り上げた。
世界的な人気作、『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』の始まりです。

ハルヒと同じタイミングで台頭した

作者の川原れき先生は、あの『涼宮ハルヒの憂鬱』に少し遅れる形で、プロデビュー!
「日本が変わる」という期待で満ちた時代に、多くの人が同じゲームをするMMORPGに没頭した先生が、「このゲーム体験をラノベにして、プロになりたい」と願ったことが発端。

デビューのきっかけは、2008年に第15回電撃小説大賞で「大賞」となった『アクセル・ワールド(旧名:超絶加速バーストリンカー)』です。
SAOに目が留まり、「こちらも書籍化しましょう!」という流れに……。

どちらも人気タイトルで、2012年に累計発行部数で1,000万部を突破!
わずか数年に達成したのは、ほぼ最速です。
2024年にすら、どちらのタイトルも続刊が期待されていて、納得するしかありません。

電撃文庫は、ラノベの中で大手レーベル。
巡り合わせも、良かったです。

世界的に大ヒットした理由

日本の大手レーベルが認めたのは、MMORPGを題材にして、売れそうだったから。
むろん、面白いことも大前提。

『ソードアート・オンライン』と『アクセル・ワールド』は、人気アニメです。
知名度はSAOが上となっていますが、どちらも主役!

パソコンゲームは、海外のほうが主流。
それゆえ、日本のラノベとしては珍しく、すんなり受け入れられました。
主人公のキリトは命懸けで戦い、海外でも「好感を持てる」の評価。

ネトゲに没頭した経験があればこそ、説得力のあるラノベに。
時代の流れとタイミング、大手レーベルに助けられ、SAOは世界に羽ばたきました。

小説投稿サイトに向かない作品

今の小説投稿サイトで、SAOの後釜あとがまはいません。
同じVRで『シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜』がありますが、そちらは「ゲーム実況」という分野です。

『小説家になろう』は、鬱展開を拒絶していますから……。

SAOのキリト君ですら、一時的に苦戦となれば、読者が離れるでしょう。
ランキング競争がヒートアップしたうえ、すぐに移動できるから。

今の小説投稿サイトには、作家を育てる土壌や、その姿勢がありません。
先生ですら、『小説家になろう』にいたら、SAOがマイナーレーベルの1巻切りも……。

アニメの大成功で原作もブースト

2012年に、『ソードアート・オンライン』と『アクセル・ワールド』はアニメ化。
ここで素晴らしい作画、演出となり、決め手に。

『アクセル・ワールド』も好評のうちに終えて、さらに劇場版!
SAOが凄すぎるだけで、こちらも覇権といえます。

原作だけで面白いSAOは、アニメのブーストで、まさに超絶加速!

日本のラノベは、アニメを成功しなければいけません。
逆に言えば、映像や動きにして魅せやすいテーマが、書籍化されるのです。

「古き良き」とは言いたくない!

「当時に大人気だったMMORPGを扱い、他にない輝きだった」
一言で説明すれば、そうでしょう。

先生いわく、「自分のホームページにおける、読者との交流が支えだった」と……。

スマホでパパッと見られる時代に、「無名のラノベ作家を長く応援しろ!」とは言えず。
たった数秒で判断して、次へ移動するだけ。
それゆえ、なろう小説のように、すぐ理解できるテンプレが席巻しています。

なろうは、底が浅いです。
エンターテインメントと呼べない作品があふれていて、3巻に届かない有様。
「SAOは古き良き~」とは言いたくなく、長期シリーズで売るためには、中身も必要です。
そして、作家が名作を書き上げるには、良いファンも欠かせません。