世界的な人気を誇る『ソードアート・オンライン』のキリト君。
けれど、今となっては、苦戦を強いられる状況!?
フルダイブのゲーム世界で戦い続ける彼らとは別に、ラノベ業界は大きく変わりました。
序盤だけ負けることを許される
『小説家になろう』の鉄則は、「主人公が負けていいのは序盤だけ」。
これを破れば、どれだけ素晴らしくても読者が離れて、二度と戻りません!
『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』は、良い意味で、そういったテンプレに従わず。
川原礫先生は『ラグナロクオンライン』などのMMORPGに熱中していて、2002年からホームページにこのSAOを掲載していたから。
先生が、今の小説投稿サイトにいた場合――
本格的なラノベではなく、「チート能力!」「うがあああっ!」のテンプレになったでしょう。
過去ではなく今のランキング
『小説家になろう』のランキングを見ると、錚々たるメンツ。
けれど、それは過去の作品であって、今にあらず!
異世界ファンタジーの恋愛モノが、週間、月間ランキングを席巻しています。
SAOのように悩み、苦戦するストーリーは、もう見られず。
総合ランキングでは、過去の名作が並ぶものの……。
それは、多くのファンによる評価と、客観的な実績があるから。
今からスタートすれば、異世界恋愛の下敷きに!?
チラッと見て理解できることが大事
なろう小説は、スマホで空き時間に見るもの。
通学や通勤、あるいは、休憩時間でササッと……。
小説投稿サイトは、下手な本屋よりも在庫が多く、基本的に無料です。
彼らは閲覧による広告収入がメインで、「なるべく周回してくれ」と願っています。
それゆえ、「こんな小説もありますよ?」とオススメする構図。
つまり、その作家の作品ではなく、同じような作風、ランキング上位へ!
「たまたま、見つけただけ」
紹介文を読み、第1話か、気になったサブタイトルだけ、ツマミ食い。
であれば、キャラの設定やエピソードを理解することすら、おっくう……。
WEB小説の限界と原点回帰
「スナック感覚で楽しめる」というラノベは、薄っぺらいです。
しかし、他ならぬユーザーが望んでいて、先細りの出版業界も乗っかっています。
もはや、「なろう(他の大手サイトを含む)にあらずんば、ラノベにあらず!」という風潮。
SAOは、すでに王者になっていて、出版社も熱望します。
出せば売れる、立派なブランドですから!
だけど、今から自分のホームページで読者と一緒に歩むことは不可能。
2024年で、「なろうは飽和!」という意見も。
ただ、このブランドは厚く、弾数が尽きないことから、当分は安泰でしょう。
状況が変わるか、みなが飽きて、原点回帰するかもしれませんが……。