インフィニット・ストラトス!まさに一世を風靡した名作は永遠なり!

ハイスピード学園バトルラブコメ。
『インフィニット・ストラトス』は、ハーレムラブコメのお手本にして理想。
人気が出た秘密と、それを超える作品が出るのか? を考察します。

美少女動物園の金字塔

アニメの分野に、美少女動物園があります。
名前と出番があるヒロインが多く、まるで動物園のように、見て回れる環境。

主人公の男子に5~6人ほどのヒロインが群がり、どの女も好感度MAX。
この図式は、『インフィニット・ストラトス』とほぼ同時期に、大量生産されました。
アニメにも流行があり、ラノベ原作で、似たような展開となる作品ばかりに……。

誤解のないよう言いますが、これは褒めています。

『インフィニット・ストラトス』は、それらの作品で群を抜いています。
何しろ、作者はゲームのシナリオライターで、そもそもプロ!
個人的に色々あったようですが、ここでは扱いません。

余計な理屈がなく面白い

『インフィニット・ストラトス』の面白さは、良い意味でバカであること。
ギャグ調で、学園バトルとラブコメが同時進行。
そもそも、IS学園にいる男子は主人公の織斑おりむら一夏いちかだけ。

ISによる女尊男卑だけど、一夏はすぐに逆転!
ついでに、二番目のヒロインの心もゲット!!

これ、かなり重いテーマでやっています。
だけど、それを全く感じさせず、主人公の一夏にも嫌悪感を抱きにくい構図。

周りのヒロインレースに構わず、性欲がない状態。
そのおかげで、エロハプニングは最小限です。
ISというパワードスーツで飛び回り、基本的にシールドバリアーで怪我をしないゲーム形式。

マルチメディア展開の申し子

日本のラノベは、アニメ化が1つの基準。
WEB小説となれば、その前に書籍化という関門が立ちはだかるも、そちらは後述します。

アニメ化で、キャラソングを含むグッズ販売や、ソシャゲまたはコラボへ。
これらはセットで考えられており、「書籍化されて3巻止まり」と「色々な媒体で売りまくる」の二極化です。

『インフィニット・ストラトス』は、ゲーム会社とはいえ、プロの作品です。
たとえば、声優を起用していれば、芸能プロダクションと話ができて、それはアニメ制作会社やプロデューサーにも繋がっています。
その意味では元々、マルチメディアに近いポジションでした。

キスまで時間がかかる展開は、関連グッズの販売に向いています。
制作されたアニメも、「良い香りがしそうなヒロインたち」と、最大級の賛辞。

文字と映像の面白さは違う

つまるところ、媒体によって面白さが違います。
ラノベの読者は文芸的な表現を好まず、周りの描写を詳しくすると、離脱していきます。

『インフィニット・ストラトス』は、良い意味で、アニメ向き。
設定が詰め込まれておらず、シリアスになりやすい世界観でも、ゆるーく流す。

作者の経歴から、「未発表のゲームシナリオの流用では?」と思えました。
真相は不明ですけど。

文字というより、アニメ、ゲームで使う題材としてピッタリ!
それで、テレビ放送が大ヒットの流れ。

WEB小説での再現は不可能

この『インフィニット・ストラトス』は、学園バトルの全盛期。
放送から10年が経っても、それぞれのヒロインに熱心なファンがいます。

消費するだけのラノベにしては、異常の極み。
この人数で「全員が人気!」というのは、アニメ制作が良かったことを踏まえても、ポテンシャルが違います。

「出オチと言うほど、鮮烈な第1話」とするべき、WEB小説。
そちらでコンテストに入賞して書籍化、さらにアニメ化を狙うルートでは、第二の『インフィニット・ストラトス』はもう出ません。

そもそも、学園バトルのハーレムが時代遅れです。
選考する編集者やプロは選ばないでしょうし、アニメで弾けることも、夢のまた夢。
したがって、この『インフィニット・ストラトス』は、いつまでも輝き続けます。